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【実体験あり】ケアマネジャーになるには?看護師のための資格取得ガイド

看護師だけど、ケアマネになりたい!どうやったらなれるのかな?

看護師から、ケアマネへの転職を考える方も多いですよね。

「ケアマネ」という言葉は聞いたことがあっても、資格取得のためにどういった手順を踏むのか気になりますよね。

このブログでは、そんな悩みをまるっと解決します。

以下のように、看護師として働いている方がケアマネジャー(介護支援専門員)になるための基本的な流れを紹介します。

この記事で分かること

  1. ケアマネージャーになるには
  2. 資格取得までの流れ
  3. 試験の内容、合格率

また、記事の後半では以下の内容についても詳しく紹介しています。

この記事で分かること

  1. ダブルライセンスのメリット
  2. ケアマネの仕事内容
  3. ケアマネに転職するメリット、デメリット

ケアマネを取得する流れだけでなく、「看護師とケアマネジャーの両方の資格を持つこと」のメリットを解説しています。

結論から言うと、「看護師×ケアマネ」のダブルライセンスで、就職や転職時の市場価値が上がり、仕事の幅も広がります。

キャリアの選択肢が増えることで、子育て中でも、より柔軟な働き方が可能になりますよ。

ただ、資格取得までには「結構な時間が必要」だったりします。

専門の予備校などに通う必要はありませんが、今の仕事のシフトと調整する必要もあるので注意です。

私も、実際に病棟看護師7年経て派遣ナースなど経験した後、ケアマネージャーの資格を取得しました。

実体験も交えながら、詳しく紹介するので「ケアマネ」が気になる看護師さんはぜひご覧ください。

目次

看護師からケアマネジャーになるには?受験には条件がある!

筆記試験の画像

ケアマネジャーは国家資格ではなく、「都道府県が認定する資格」です。

ですが、試験内容などは全国で統一されています。

また、ケアマネジャー(介護支援専門員)になるためには、実は重要な条件があります。

ケアマネになる条件

  • 医療福祉系の国家資格があること
  • 実務経験が通算5年以上あること(従事日数900日以上)

「実務経験が通算5年以上ある」ことは、以前のケアマネの受験資格で改定された部分です。

実際に、働いた職場へ「実務経験証明書」を発行してもらう必要があります。

ケアマネージャーになるまでの流れを紹介!

試験の画像

ケアマネージャーの資格を取得したら、「都道府県へ登録」が必要です。

ケアマネの試験から、登録までの期間や流れを解説しますね。

ケアマネの筆記試験は、毎年10月頃に開催されています。

試験の申し込みから、研修受講後から登録までの流れは都道府県によって異なるので注意が必要です。

私が受験した、都道府県の内容で紹介していきますね。

申し込み〜登録

STEP
6月頃

試験の申し込み:願書を取得

STEP
10月上旬

「介護支援専門員実務研修」試験:筆記試験

STEP
合格発表

オンライン上、郵送にて合格発表

STEP
実務研修(6ヶ月間)

前期、後期合わせて17日間、実習あり

STEP
都道府県へ登録

実務研修終了後、3ヶ月以内に登録必要

筆記試験合格後の研修には約半年間、参加する必要がありました。

現状の仕事のシフトとの兼ね合いも考える必要がありますよね。

筆記試験は、1回で合格したものの、その後の「実務研修」の方が私は大変でした…。

研修にはオンラインで参加できましたが、都道府県によって会場に集まって受ける、集合研修があったり等、研修方法は違うようです。

また、実習」として、実際に居宅介護支援事業所へ訪問して、仕事の流れを見せていただく研修は、3日間でした。

申し込み方法や実務研修の実施時期は、自分の受験する都道府県のホームページなどで確認できます。

ケアマネージャーの試験の内容は?合格率が低いって本当?

看護師とパソコンの画像

毎年10月頃に実施される、ケアマネージャーの試験内容は以下の通りです。

試験科目内容
介護支援分野(25問)介護保険制度の基礎知識
要介護認定等の基礎知識
居宅・施設サービス計画の基礎知識
など
保健医療福祉サービス分野(35問)保健医療サービスの知識
福祉サービスの知識
など

内容は?

  • 介護支援分野:主に介護保険法や障害者総合支援法などの、「介護・福祉に関係する法制度」の知識
  • 保健医療福祉サービス分野:「高齢者によくみられる病気や症状の知識」「対人援助(ソーシャルワーク)の知識」

上記の2つの分野から構成された筆記試験となっています。

看護師として働いていると、「保険医療福祉サービス分野」の方が馴染みのある言葉が多かったので、点は取りやすかったです。

ちなみに、試験の概要は、以下の通りです。

試験の概要

  • マークシート方式
  • 全部で60問
  • 配点は1問1点
  • 試験時間は120分
  • 5つの選択肢から正しいものを2〜3個選ぶ
  • 分野ごとに正答率70%が基準

試験対策については、毎年発売されている過去問で繰り返し勉強するのがおすすめです。

試験の合格率

ケアマネージャーの試験の合格率って低いんでしょう?

ケアマネージャーの試験の合格率は、例年10〜20%で推移しています

10人のうち1〜2人しか合格できず、難易度の高い試験と言われています。

受験者数と合格率

年度受験者数合格者数合格率
第21回(平成30年度)49,332人4,990人10.1%
第22回(令和元年度)41,049人8,018人19.5%
第23回(令和2年度)46,415人8,200人17.7%
第24回(令和3年度)54,290人12,662人23.3%
第25回(令和4年度)54,406人10,328人19.0%
第25回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について

合格率が低い理由の1つに、「働きながら勉強時間を確保するのが難しい」ことがあげられそうです。

実際に、私も受験者の方々とお話しましたが「時間が無い」と話す方が多かった印象です。

特に夜勤があったりすると、不規則で体も疲れているし、なかなか勉強モードに切り替えにくいですよね。

ケアマネに合格するのは、どんな職種?

ケアマネージャーを受験するには、国家資格が必要です。

なので、受験者は全て国家資格の保有者になります。

合格者の上位5職種は以下の通りです。

職種と合格者数

職種
(上位5職種)
合格者数
(計10,328人)
介護福祉士6,096人
看護師、准看護師1,849人
社会福祉士815人
理学療法士594人
作業療法士285人
25回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について

合格者のうち、「看護師、准看護師」は毎年の合格者数の2割ほどを占めています。

「介護福祉士」に次いで2番目に多くなっています。

ケアマネージャーになるための受験料はいくら?

電卓の画像

ケアマネージャーの試験の流れが理解できたら、気になるのは受験料ですよね。

ケアマネージャー取得までにかかる費用は、大きく分けて以下の2つ。

取得までの費用

  1. 筆記試験の受験費用
  2. 筆記試験合格後の研修の費用

ポイントは、都道府県が認定の試験なので費用が全国一律ではないこと。

一部、各都道府県の費用を一覧にまとめてみました。

①筆記試験の受験費用

10月に実施される、一部地域の筆記試験の受験費用は以下の通りです。

都道府県受験料
北海道12,000円
秋田11,200円
東京12,800円
神奈川13,800円
千葉14,400円
長野8,500円
静岡10,100円
石川9,200円
大阪13,800円
山口9,200円
福岡9,700円
沖縄10,000円

各都道府県によって、金額はさまざま。

上記の表の中だけでも、高い地域と低い地域では、6,000円弱も差がありますね…。

お住まいの都道府県のホームページか、6月頃の試験申し込み時に取得できる「願書」に詳しい金額が記載されています。

②筆記試験合格後の研修の費用

介護支援専門員実務研修にかかる費用も、都道府県によって異なります。

実務研修の受講料の「全国平均は5万7456円」

2022年度の実務研修の受講料が最も高かったのは、山形県の7万9950円。

最も低かったのは島根県の2万800円で、その格差は5万9150円にもなります。

都道府県で、これだけ違いがあるのはどうにかしてほしいですね…。

看護師がケアマネージャー(介護支援専門員)の資格を取るメリットは?

看護師のあひる

「看護師とケアマネ」二つの資格を持つことで、より多くの職場で需要が高まります

実は、他にも看護師がケアマネの資格を取得するメリットが幾つかあります。

ここからは、看護師がケアマネとして働くメリットを紹介していきますね。

ケアマネになるメリット

  1. 看護師の知識を十分に活かして仕事ができる
  2. 身体的な負担が少なく、長く働ける
  3. 夜勤が無く、ワークライフバランスが保てる
  4. 職場によっては、在宅勤務もできる

記事の後半では、ケアマネの「デメリット」も紹介しているので合わせて確認してみてください。

①看護師の知識を十分に活かして仕事ができる

看護師の知識が活かせる

ケアマネージャーとして勤務すると、利用者さんの「ケアプラン」を作成することになります。

ケアプラン作成には、介護保険の申請が必要ですよね。

では、介護保険を利用する利用者さんは、どういった方が多いのかを考えてみましょう。

そもそも、「介護が必要になった方」の「介護が必要になった原因」は、疾患が多くを占めています。

介護が必要になった原因のトップ3は以下の通り。

介護が必要になった原因

  1. 認知症
  2. 脳血管疾患
  3. 高齢による衰弱

その他にも、「骨折」や「心疾患」が多くを占めています。

看護師であれば、こういった疾患の基礎知識が前提として理解があるほか、臨床でも経験のある方が多いですよね。

なので、ケアプラン作成時にもこういった知識を活かす事ができるんです。

ほかにも、病院からの退院支援時に、看護師としての知識を活かして適切なケアプランを作成することもできます。

②身体的な負担が少なく、長く働ける

身体的な負担が少ない

看護師として働いていると、体位変換や車椅子移乗など体に負担が来る業務は日常によくありますよね。

ケアマネージャーは、看護師の業務と比較すると身体的な負担が少ないのがポイントです。

基本的には、デスクワークが中心なので体力的な負担は軽減されますよね。

体力的な負担が減るので、歳をとっても長く働き続けられるのでキャリアが途絶えにくいというのもメリットの1つですね。

居宅介護支援事業所に勤務の場合は、利用者宅まで自転車や車での訪問があります。

③夜勤が無く、ワークライフバランスが保てる

ワークライフバランスが保てる

ケアマネの場合、病棟看護師のように夜勤はありません。

子育て中などで、夜勤が難しい場合でも日勤で働き続けられるというメリットがあります。

日中の勤務が主なため、家族との時間を持ちやすくなります。

子育て中でなくても、夜勤がないことで家族や友人との予定を合わせやすいこともメリットの1つですね。

夜勤がないことでワークライフバランスが保てるほか、身体的な負担が少ないのもポイントです。

④職場によっては、在宅勤務もできる

在宅勤務が可能な場合も

ケアマネの職場の1つとして、「居宅介護支援事業所」があります。

居宅介護支援事業所の場合、在宅勤務が可能な事業所もあります。

そういった事業所は、ケアマネージャー同士でミーティングを行う際は、ZOOMなどオンラインを使用することも。

その他の業務としては、役所へ書類の提出に行ったり、利用者宅へ訪問することもありますが、基本的に1人で行きます。

なので、ケアプラン作成はデスクワーク。在宅勤務が可能になります。

特に子育て中の方は、自宅で仕事が出来るのもメリットの1つですよね。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事内容は激務?

看護師 泣いている画像

ケアマネージャー(介護支援専門員)は、高齢者や障がい者が必要とする介護サービスを適切に受けられるように調整する役割を果たします。

また、1人のケアマネージャーが受け持つ利用者の人数は、法的には「40人」とされています。

事業所のケアマネージャーの人数などによっても、対応の利用者の数は違ってきます。

主な仕事内容

  1. 利用者のケアプラン作成
  2. 利用者やその家族からの相談対応
  3. 介護保険給付の管理
  4. 介護サービス事業所との連携

最大の受け持ち人数である、40人のケアプラン作成やモニタリングはなかなか大変です。

ただ、基本はデスクワーク中心。病棟看護師時代のように、「忙しく椅子に座れない!」といったことはありません。

自分のペースで、仕事を進められるのは良い点ですよね。

ここから、ケアマネージャーの主な仕事内容を簡単にまとめます。

①利用者のケアプランの作成

ケアプランの作成

ケアマネージャーの最も重要な役割の一つは、利用者一人ひとりのニーズに応じたケアプランを作成すること。

ケアプランとは、介護サービスの内容やスケジュールを具体的に記した計画書です。

ケアプラン作成の、具体的なプロセスを大まかにまとめると以下の通りです。

ケアプラン作成手順

アセスメント利用者の身体状況や生活環境、家族の支援状況などを詳しく調査し、ニーズを把握。
プラン作成利用者のニーズに基づき、適切な介護サービスを組み合わせたケアプランを作成。ここには、訪問介護、デイサービス、ショートステイなどのサービスが含まれます。
モニタリングと見直し定期的にケアプランを見直し、利用者の状況の変化に応じて修正。

この一連のプラン作成は、パソコン業務になります。

ただ、看護師が使う電子カルテのように、フォーマットが決まっているので、パソコン操作が苦手な方も安心です。

②利用者やその家族からの相談対応

利用者家族からの相談対応

ケアマネージャーは、利用者やその家族からのさまざまな相談に対応します。

そのため、ケアマネジャーには、利用者さんやご家族の不安に寄り添いながら適切な助言ができるコミュニケーションスキルが必要です。

看護師として働いていた時との大きな違いは、相談対応に家族も含むこと。

看護師時代は、対象が患者さん本人だけでしたが、ケアマネとして働くとその家族と、密にコミュニケーションをとっていく必要がありますね。

③介護保険給付の管理

介護保険給付の管理

ケアマネージャーは、利用者が介護保険から適切に給付を受けられるように管理を行います。

具体的には、利用者が受けるサービスの内容や回数を管理。

また、介護保険の給付範囲内で適切なサービスを提供できるように調整します。

介護サービスの提供に伴う請求書を作成し、介護保険の給付申請も行います。

④介護サービス事業所との連携

介護サービス事業所との連携

ケアマネージャーは、複数の介護サービス事業所と連携しながら、利用者に対するケアをコーディネートします。

サービス提供者と定期的に会議を行い、利用者の状況やケアプランの進捗を共有します。

利用者の健康状態や生活状況の変化について、迅速にサービス提供者に伝え、対応を協議します。

サービス担当者会議では、ケアマネが司会となって進行するので、ここでもコミュニケーションスキルが必要になってきます。

看護師がケアマネージャーに転職するメリットとデメリット

メリット、デメリット

ここからは、看護師がケアマネージャーに転職するメリットやデメリットを紹介します。

まず、ケアマネになるメリットは、記事の中盤でも紹介した以下の4つです。

ケアマネとして働くメリット

  1. 看護師の知識を十分に活かして仕事ができる
  2. 身体的な負担が少なく、長く働ける
  3. 夜勤が無く、ワークライフバランスが保てる
  4. 職場によっては、在宅勤務もできる

メリットだけでなく、デメリットまで紹介すると以下の通りです。

ケアマネとして働くデメリット

  1. 給与が下がる可能性がある
  2. 緊急対応が必要な場合がある
  3. 人間関係の幅が狭い

①給与が下がる可能性がある

給与が下がる可能性

ケアマネジャーの平均給与は看護師よりも低いことが多いため、給与面でのリスクはあります。

令和4年度の調査を引用すると以下の通りです。

平均月給平均基本給
看護職員37万2,970円28万1,160円
ケアマネジャー36万2,700円28万700円
引用:厚生労働省│令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

平均で見ると、看護師もケアマネも給与に関して、意外とそこまで差はないですね。

お住まいの地域のケアマネの給与相場を、求人情報であらかじめ確認しておくことがおすすめです。

看護師の平均給与は、夜勤を含めたものになるので、一概に比較が難しいですね。

②緊急対応が必要な場合がある

緊急対応が必要

病棟看護師と違って、ケアマネとして働くと予期せぬ呼び出しがあることも。

その場合、家庭との両立が難しくなることもありますよね。

さらには、夜間もケアマネが対応する事業所の場合は、夜間に電話連絡があることも。

ケアマネの対応時間は各事業所で規約が違います。就職前に事前に確認がおすすめです。

③人間関係の幅が狭い

人間関係の幅が狭い

ケアマネとして、居宅介護支援事業所で勤務する場合はケアマネージャーの人数も少ないのがポイントです。

大まかな配置人数は以下の通り。

配置人数

  • 小規模の事業所では1〜2名
  • 中規模の事業所では3名以上

看護師で働いているとシフト勤務で一緒に働く人の入れ替えもありますが、ケアマネの場合はそうもいきません。

限られた人間関係の中でトラブルが発生すると、解決が難しくなることも。

人間関係が限られているため、同じ人との交流が続き、人間関係の摩擦がストレスの原因となることがあります。

ただ、事例の相談を互いにすることはあっても、「基本的には1人で仕事を進めていく」のでそこまで気にしなくてもOKです。

ケアマネジャーになるには?看護師のための資格取得ガイド:まとめ

スマホをいじる女性の画像

ここまで、ケアマネになるまでの資格取得の流れやメリット・デメリットを紹介してきました。

ケアマネージャーの資格を取得することは、看護師としてのキャリアにとって大きなプラスとなります。

ケアマネになる条件

  • 医療福祉系の国家資格があること
  • 実務経験が通算5年以上あること(従事日数900日以上)

ケアマネとして働くメリット

  1. 看護師の知識を十分に活かして仕事ができる
  2. 身体的な負担が少なく、長く働ける
  3. 夜勤が無く、ワークライフバランスが保てる
  4. 職場によっては、在宅勤務もできる

ケアマネとして働くデメリット

  1. 給与が下がる可能性がある
  2. 緊急対応が必要な場合がある
  3. 人間関係の幅が狭い

資格取得には時間や労力が必要ですが、その先には新たな可能性と成長があります。

キャリアに悩む看護師さんの未来が、より輝かしいものになることを応援しています!

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